風に吹かれて

~愛すべきこの街に誰が沈めたというのだろう~

ON異常犯罪捜査官「最終回」

久しぶりの連ドラ。無事最終回までリアルタイムで見ることができました。放送時間帯や曜日の良さもありましたが、リビングソファに鎮座する「TVの番人」もドラマに見入っていたことが、主な勝因だったと思われます。

「全8回」でしたが、初回は2時間スペシャルだったので、実質「全9回」くらいのボリュームだったでしょうか。原作は読んでいませんが、キャラ設定はかなり変更され、ストーリーは原作に基づいたものとオリジナルが、混在していたようです。

そのオリジナルストーリーによる「最終回」の感想などを、心に響いた台詞を引用しながら、私なりの目線で書いてみたいと思います。

それは母の言葉。父と離婚したとき母は私を抱きしめながら「あなたはきっと間違えずに生きていけるから」と(藤堂比奈子談)

比奈子が踏み止まれたのは、母から愛情を受けることができたから。七味唐辛子が、その象徴だったのでしょうか。片やラスボスとして登場した永久が踏み止まれなかったのは、両親や周りの大人たちから愛情を受けることができなかったから。やや強引な結末でしたが、ふたりの抱擁シーンから、熱く伝わってくるものはありました。

一方で、妹を失った東海林先輩がなぜ踏み止まれたのか、中島先生や原島警官が、間接的であったとはいえ、なぜ踏み止まれなかったのか。具体的な説明がなかったのでよくわかりませんが、比奈子&永久と同じような境界線があったのかもしれません。

人間に答えなんかない。安易な答えも求めることはできない(中島先生談)

それでも答えを求め続けるのが人であり、求め続けた人こそが踏みとどまれるのかもしれない…比奈子と東海林先輩のように(のりたま談…笑)別の言葉に置き換えると「生命力の強さ」みたいなものではないかと、思ったりしています。

生きていることとか、人とのつながりとか、そういうのがあると、ぎりぎりのところで踏みとどまれるもの(石上先生談)

元夫婦の厚田班長&石上先生も、比奈子を踏み止めた人たちでした。もちろんツンデレの東海林先輩も。変にドラマチックではない淡々としたやりとりだった比奈子涙のシーン、いつも通りの日常が始まるラストシーンは、この「白く儚く美しい」コンビらしい距離感だったと思います。もし続編があるとしたら、この距離感はどう変わっていくのでしょうか…興味深い…

 

さて、東海林先輩こと横山さんについて少々。

横山さんの演技をきちんと見たのは初めてですが、ビジュアルの良さとともに「凄く雰囲気のある人だな」と感じました。あまり表情筋が動かないタイプなので、顔のパーツが際立ちますが…分厚い唇より、繊細でありながら動じない目が印象的でした。

演技の良し悪しはよくわかりません。ファンの贔屓目線と言わるかもしれませんが、東海林先輩は、横山さんのはまり役だったような気がします。

 

「ドラマON」とともにスタートした「短期集中連載OFF」(有料webサイト)も、残念ながら最終回を迎えてしまいました。レンジャー同様、横山さんらしいソフトな語り口を楽しみにしていたので、少し寂しさを感じます。

(ちなみに、我が家の「玄関先でスイッチON/OFF」ブームはまだ続いています…)

雑誌インタビューで「毎日マメに更新しているのは、企画を立ち上げ、自分を後押ししてくれるチーフマネージャーのためでもある」と語っていました。スタッフさんに対する信頼や感謝の気持ちが伝わってくるコメントです。

学ぶことや背負うものが多くなった今現在は、「結婚願望がなくなった」という横山さん。迷いがなくなったのか、具体的な狙いが定まったのか…私には知る由もありませんが、素敵な年の重ね方をしているなと感じます。本人は「年を重ねることで引き算を覚えた」と言っていましたが…またまた興味深い…

 

次は映画館の大スクリーン。「白く儚く美しい」役者横山さんにお会いできることを楽しみにしています。

 

おしまい