風に吹かれて

~愛すべきこの街に誰が沈めたというのだろう~

関ジャム1021「ユーミン」

毎週のように「関ジャム」感想ブログを書いていた頃がありました。

今も、放送時間中だったり録画だったりとまちまちですが、以前と同じ熱量で、毎週欠かさず視聴しています。

特にセッション。錦戸さんの「春よ、来い」を含め、書きたいことはたくさんあるのですが、「ユーミン特集」というパワーワードが投下され、忘れかけていた「何か」がどこからともなく湧き出てきてしまったので、セッションについての感想は、また別の機会に書いてみたいと思います。

関ジャニ∞のことは、最後に少しだけしか触れていませんが、お時間のある方は、暇つぶしに読んでやってください。

 

私の音楽への入口は、周りにいた大人たちの影響を受け「クラシック」と「洋楽」でした。ボーカルも楽器のひとつと捉えると、歌詞ではなく「音」そのものを楽しんでいたように思います。

そんな私が、初めて「歌詞」に衝撃を受けたのが、ユーミン。歌詞以外にも、声質や歌い方、アレンジ、ビジュアルなど、たくさんの衝撃がありました。

寺岡さんのように、余裕で小一時間くらい語れそうですが、単に私の黒歴史が出てくるだけなので、厳選の3曲(しかも初期)に絞り、私なりの解釈や思い出を交えながら書いてみます。 

どんな運命が愛を遠ざけたの、輝きは戻らない、私が今死んでも(×3)

(作詞作曲・荒井由実「翳りゆく部屋」より)

荘厳な鍵盤楽器から始まり、いきなりの分厚いコーラス、ドラムを経て、ピアノソロとともにユーミンの歌が始まります。「大人の別れはオシャレなのね」と呑気なことを考えながら聞いていたら、だんだんと雲行きが怪しくなり…。

そして、いきなりの「私が今死んでも」ですよ。しかも、その後このフレーズを2回も繰り返し聞かされるという試練。

「大人の別れは命がけなのね」なんて、子供心に震えましたが、後に、別れはある意味「命がけ」であることを、知ったような、知らなかったような(笑)。

ひこうき雲」も「死」を匂わせる作品でしたが、まだ二十歳前後だったユーミンは、どんな経験をしてこの歌詞を書いたのでしょうか。デニーズかな。

 ソーダ水の中を、貨物船がとおる

(作詞作曲・荒井由実「海を見ていた午後」より)

寺岡さん今井さんもお話されていましたが、私も「ソーダ水の中に貨物船」とおしました(笑)。当時は、山手のドルフィンの場所がわからなくて、山下埠頭で三ツ矢サイダー的なものを飲みながら、国籍不明の貨物船を見ていました。

かなり後になってから「根岸のドルフィン」を知り、行ってみましたが、海なんて殆ど見えないし「三浦岬」なんてどこにもない、という現実を知ることになります。

それにしても、根岸を「山手」、房総半島を「三浦岬」に置き換えるところがにくい。房総半島をよく知る者としては、大きな拍手を送りたい気分です。

今日わかった、また会う日が、生きがいの悲しきDESTINY

今日わかった、空しいこと、結ばれぬ悲しきDESTINY

(作詞作曲・松任谷由美「DESTINY」より)

ホントにあるんですよ「今日わかった」という瞬間が。

この作品が世に出てから、かなりの時を経た、週末の夜深い時間のこと。職場の仲間とカラオケに行って、うざいくらい感情を込めながら「DESTINY」を歌う私。歌の途中で、憧れの先輩♂に視線を移してみたら、後輩♀といちゃついている…。

鈍感な私が「今日わかった」を体感した瞬間でした(笑)。

その後ふたりはめでたく結婚しますが、つい最近お別れになったというお知らせが、舞い込んできました。何ともリアルな思い出つきの作品です。

 

最後に寺岡さんがお話されていた「ユーミンが旅をさせてくれる」に、大きく頷く私。封印していた黒歴史ですら、ユーミンマジックに導かれ、セピア色に染まった思い出深い「旅」になるのですから。

そういえば、セッション曲「春よ、来い」が紹介されたとき、横山さんが「このCD買ったわ」と感慨深そうに話していましたね。そして、曲のイントロが好きだという錦戸さんが、歌を披露します。

ふたりの…メンバーの「旅」も、そこに見えたような気がしました。

 

最後に…。

かなり遅れてやってきた思春期の如く、この3年くらいは、関ジャニ∞の作品を好んで聴いています。この作品たちは、この先、どんな「旅」を経て、どんな「彩」を添えてくれるのでしょうか。

ユーミンの作品には、自分の黒歴史を重ねていますが、関ジャニ∞の作品には、彼らの生き様を重ねながら、その先に薄らと見える自分の姿を、探したりしています。

「宇宙にいったライオン」「NOROSHI」「オモイダマ」「大阪ロマネスク」「LIFE~目の前の向こうへ」そして「ここに」。まだまだたくさんの素敵な作品がありますし、これからも世に出てくる予感がする今日この頃です。

 

誰もが心に秘めている多彩な歴史と、それに寄り添い導いてくれる「音楽」を、これからも愛でていきたいと感じた「ユーミン特集」でした。

 

おしまい